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きものがたり
着物が着てみたい、と思い始めたのは社会人になって初めての初詣に着物でお出かけしたい、とういう単純な理由だったが、その頃は母親のウールの着物をお正月に来てお出かけしてみたり、浴衣を買う程度で、正絹の着物を自分で手にすることが出来るとは思っていなかった

その頃から林真理子のエッセイ「着物の喜び」を読み倒し、今は角が擦り切れてるが、着物の着の字も分からぬ初心者にもとっつきやすくて読みやすいこの本が好きで、今も良く手にとる

さて
言わずと知れた名著「きものがたり」を今になってはじめて手にしたのだが、一月から十二月まで着物を通じたテーマにそって語られる着物語は通り一遍の知識集でなくて、着物に対する愛情を感じてあたたかい
いかにも女性の語り口、という一流の作家の文面を追うのは久しぶりだ
何といえばいいのだろう・・・
彼女の葛篭の中は、確かに素晴らしい着物の数々なのだが、それをただひけらかすのではなく、着物で生活することが極当たり前だった幼いころから、名を成した今に至るまでの着物にまつわる話を、(私の好きな言葉なのだけれど)けれんみがなくて、難しくなくて安定した文章で読ませてくれる
あぁ、さすがだなぁ、と感じ入る
豊富な写真も目の保養
何度も読み返しているが、どの月から読み始めても興味深く、着物を通じた家族・知人の話には時に胸を打たれる


今日も
仕事を一目散に切り上げて帰ってきた
心待ちにしていた包みが届くことになっていた
きっと今日辺り宅配BOXに預けられているかと思い覗くと入ってはおらず、少しがっかりしていた所に、一箱のダンボール箱が届けられた
平日は仕事の帰りが遅いのを知っていた母が敢えて一番遅い時間を指定していくれていたのだった

見た目は大きくないがずっしりと重い箱には7年前に亡くなった叔母の着物が
着物はいかんせん嵩ばるし、福島の祖母の家に置いてあったのだが、何時までも窮屈な場所に仕舞っておくのはどうかと、ひとまず預かるという名目で送ってもらった

彼女は正確には祖母の末の妹、私の母から見ての叔母なのだが、生涯独身で子供の居なかった麻子叔母ちゃんは母と私をかわいがってくれた

正直
ここのところ、あこがれていた着物が俄然身近になってきたように思えた私は、日本舞踊を踊れて着物が好きだった叔母の持ち物に興味津々であり、どんな着物をもっていたのかすごく見てみたくなったのだ

「お誂え”W”様」と書かれたたとう紙を紐解くと、折り目正しく畳まれ、傷やシミなどもほとんど見当たらず、亡き叔母がとても大切に扱ってきた事が良く分かる
形見分けとして母が譲り受けていた着物は、今の私に似合うかどうかは別としてどれもとても趣味が良く素敵なもので、生前、「あぁ、Mはきっと着物が似合うよ、それも織りよりも染めの着物がいいね。これなんていいじゃないの」とかけさせてくれた着物も含まれていた

全てのたとう紙を開き終わり、軽い興奮に包まれた後、私は自分を恥じた

恐らく、然程贅沢ではない独り住まいをしていた叔母が長い間をかけてこつこつと誂えた着物を興味本位で手にし、軽く品定めをした様な気分になった

「叔母ちゃん
この着物にはどの帯を合わせようと思っていたの?
どんな風に着ていたの?」
持ち主の元からばらばらになってしまった着物や帯を広げながら、問いかけたくなるがその主はもういない

今、母や叔母とあれやこれやとお茶でも飲みながら語れたらどんなに楽しかっただろう、と思い、言いようの無い切なさで喉が詰まった
いくら高価なものであっても自分で手に入れたものなら汚してしまおうが、傷つけてしまおうが自分ががっかりするだけで済むのだが、優しかった叔母が大事にしていた着物をそう気軽にも扱えない
かといって、仕舞っておいても仕方ないのだが・・・

全く見ず知らずの人の高価なアンティークの着物も素晴らしいが、肉親の着物は濃く深く絆を感じさせてくれる

私が叔母の着物に袖を通して、彼女が目を細めて喜んでくれる顔が見たかった
この先も
この着物達に触れる度に叔母を思い出すのだろう

それは
色々と思い出すこともあり寂しくも有るのだが、決して嫌な感情ではない









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Brasserie Boulangerie HUIT
今日は思いのほか仕事が早く終わった
未だ陽が落ちきらず、空に明るさが残っているうちに外の空気を吸えるのはちょっと晴れやかな気持で、こんなときに行けたらなぁ・・・頭に浮かんだのは、Brasserie Boulangerie HUIT

去年の何時だったか、あまりにも窮屈だったので、昼休みに抜け出してCOLNAGO君と気分転換をしていたときに見つけたカフェだ

昼間見ると割とまったりと一人でもくつろげそうな気がしたのだが、夜は比較的がやがやとした、年季の入ったカフェとビストロの中間のような雰囲気で、適度に薄暗くて騒がしくて周りが気にならず、時に懐かしい楽しい曲が流れてくる

いくつかのメニューしか頂いていないのだが美味しいなぁと思ったのは、ホタテのカルパッチョ
ポテトグラタン
ロイヤルポークのソテー
どれもカジュアルでざっくりとした盛り付けで食べ応えがあり、割とリーズナブル

銘柄名は失念したが、6000円のピノノワールが香りが華やかでとても美味しくてまた行ったなら同じものを頼んでしまうかも

この近くには、近頃は行っていないがすごく好きなワインバーも在り、自分の中での定番に出来る居心地のいいお店があったらいいな、と思っていたのだが、まさにそんなお店を見つけてしまった

混んでいるので電話で確認したほうがいいのかもしれないが、小さなテーブルが所狭しと並んでいて、比較的キャパシティは大きいのではないだろうか

出来る事なら、仕事から解放されたその足でCOLNAGO君と一緒に走り、気のおけない人との寄り道が出来たらいいのに、と思う場所が中目黒には点在している


Brasserie Boulangerie HUIT
目黒区中目黒1-10-23 リバーサイドテラス1F
03-3760-8898
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